呼吸器外科

歴史・成績など

当科は1995年に相馬孝博医師(2001年退職)にて設立された、新潟県厚生連では唯一の呼吸器外科です。

当科の手術数年次推移です

 

呼吸器外科

当科は1995年に発足以来現在に至り、肺癌ほか気胸、縦隔腫瘍、転移性肺腫瘍、胸部外傷などに対する手術治療を中心に多くの手術症例を経験し、中越の呼吸器外科領域の治療を担ってきました。
*下図に手術症例数年次推移を示します。
当科の手術手技の中心は内視鏡による手術、つまり胸腔鏡(きょうくうきょう)による手術です。呼吸器疾患手術には開胸法と胸腔鏡下法があります。
さらに、胸腔鏡を用いた手術には小開胸をもちいた胸腔鏡併用手術と肋間の孔だけでモニターで行う完全鏡視下手術がありますが、当施設では完全鏡視下手術をほぼすべてのステージの肺癌症例に適応しています。

大開胸の創

完全鏡視下の創

穴だけによる完全胸腔鏡手術のメリットは大開胸に比較して傷が小さく低侵襲です。どのような低侵襲の恩恵があるか説明しますと、まず術後の痛みを軽減します。胸部は呼吸によって動きますので術後の痛みは呼吸を抑制する傾向にありますが、これを軽減します。また、胸腔鏡カメラによりモニターによって解剖像を高解像にて表示することでより精密で安全に手術を可能とします。さらに、完全胸腔鏡下手術ではモニターに映し出される情報を術者と助手が視野のみならず瞬間的な方針などの思考の共有も可能としています。それによって手技の高度化、安全化に寄与していると考えます。また、ほかのスタッフ全てが同じモニターで同様に共有できることで安全の質を高められます。
つまり 完全胸腔鏡下手術は安全かつスムーズな手術を可能としていると感じており、実際に平均出血量や手術平均時間は年々改善しています(下図)。

当科では低侵襲で安全かつ確実な肺癌、ほか呼吸器疾患の治療をモットーとしております。いつでもご相談ください。

当科における適応疾患のまとめ

肺癌:肺癌症例は呼吸器内科と綿密な会議のうえ方針を立て、手術適応を決めています。 ほとんどの症例に前述の完全胸腔鏡下手術を適応しています。入院は1週間ほどです。

気胸: 胸に穴を2つあけて胸腔鏡下に手術します。 手術は30分~1時間ほどで入院は4~5日間です。

縦隔腫瘍: 小さな腫瘍に対しては胸腔鏡下にて手術します。大きなものには胸骨正中切開 という手術方法を適応します。入院は1週間ほどです。

肺癌以外肺腫瘍: 転移性肺腫瘍や感染症に対しても完全胸腔鏡下手術を適応します。

肺の内科疾患に対する生検: 肺疾患の生検は胸腔鏡下で、縦隔は縦隔鏡手術を行います。

その他: 外傷性気胸、血胸、膿胸、手掌多汗症など

わが国では、死因の第一位は悪性新生物でありますが、全癌死亡例中では肺癌の増加は特に著しく、男性では1993年に胃癌を抜いて第一位になり、女性では胃癌、大腸癌についで第三位でした。さらに、1998年厚生省人口動態統計によると、肺癌の男女合わせた死亡者数が50867人となり、胃癌を抜き癌死の第一位となりました。
肺癌の治療はいかに早く確実に診断し(呼吸器内科による気管支鏡検査、放射線科によるCTガイド下肺針生検など)、的確な治療方針(手術・抗癌剤治療・放射線治療など)をたてることが大事です。
当院の肺癌の患者さんは、健診や自覚症状などで発見され、厚生連関連病院はもちろんのこと開業医の先生方から紹介していただいております(紹介病院・医院の先生方にはお世話になっています)。当院では、呼吸器内科・呼吸器外科が呼吸器グループとして常に連携し、検討会を毎週行って医療情報を交換しつつ確実で迅速な診断・治療を心掛けています。
また、当科(外来・病棟)では患者さん・家族に対してわかりやすく相談しやすい診療を心掛けております。肺癌についての興味・心配でも構いません。お気軽に受診して下さい。

肺がんについて(PDF) 一般社団法人 National Clinical Database(NCD) の手術・治療情報データベース事業への参加について(PDF)

スタッフ紹介

呼吸器外科

呼吸器外科部長

古屋敷 剛

専門領域 呼吸器外科全般
認定資格等 日本外科学会 外科専門医
日本呼吸器外科学会 呼吸器外科専門医
日本呼吸器外科学会 胸腔鏡安全技術認定医
出身大学・卒年 杏林大学医学部
1994年卒
呼吸器外科

呼吸器外科部長

藤田 敦

専門領域 呼吸器外科全般
認定資格等 医学博士
日本外科学会 外科認定医
日本外科学会 外科専門医
日本外科学会 指導医
日本呼吸器外科学会 呼吸器外科専門医
日本呼吸器外科学会 呼吸器外科学会評議員
日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
出身大学・卒年 杏林大学医学部
1995年卒
呼吸器外科

呼吸器外科医長

田中 博

出身大学・卒年 2019年卒

【当科関連のお知らせ記事がある場合、こちらにも表示されます。】

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