消化器内科
概要
消化器内科の各分野(消化管、肝臓、胆・膵、炎症性腸疾患)を専門とする経験豊かなスタッフが在籍しており、救急診療を含めた各種疾患に対応しています。特に内視鏡検査件数が非常に多いことが当科の特色であり、上部消化管内視鏡が年間約9,000件、下部が約3,000件を上回る件数で推移しています。また、ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)等の治療内視鏡件数も増加傾向にあります。肝疾患は、急性/慢性肝炎、肝硬変、肝がんを中心に検査・治療を行っており、肝硬度測定装置であるフィブロスキャンを日常診療の一助として導入しております。胆・膵疾患では、総胆管結石や胆道悪性腫瘍を中心に、EUS(超音波内視鏡)やERCP(内視鏡的逆行性胆管膵管造影)による診断・治療を多数行っております。炎症性腸疾患は潰瘍性大腸炎とクローン病があります。当科では、以前より多くの炎症性腸疾患の患者様を診療しており、新しい治療薬の治験も行っております。今後ますます加速する超高齢化社会に伴い、消化器内科には安全性や確実性を確保した上でより高度で低侵襲な医療が求められています。多職種と連携・協力しながら質の高い医療を提供して地域医療に貢献するとともに、次世代を担う若手消化器内科医の育成に努めていきたいと考えています。
主な検査、治療件数
| 2020 | 2021 | 2022 | 2023 | 2024 | ||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 上部内視鏡 | 8,723 | 9,139 | 8,926 | 8,972 | 8,579 | |||
| 食道ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術) | 34 | 24 | 36 | 31 | 24 | |||
| 胃ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術) | 159 | 181 | 205 | 205 | 191 | |||
| 十二指腸ESD・EMR | 0 | 2 | 8 | 8 | 11 | |||
| 食道ステント留置術 | 5 | 4 | 4 | 6 | 6 | |||
| 胃・十二指腸ステント留置術 | 9 | 23 | 17 | 17 | 20 | |||
| 食道静脈瘤治療 | 28 | 45 | 39 | 26 | 44 | |||
| PEG(内視鏡的胃瘻造設術) | 17 | 25 | 27 | 22 | 22 | |||
| LECS(腹腔鏡・内視鏡合同手術) | 4 | 0 | 1 | 3 | 4 | |||
| 下部内視鏡 | 3,165 | 3,245 | 3,125 | 3,152 | 3,306 | |||
| ポリペクトミー | 683 | 744 | 859 | 778 | 907 | |||
| EMR(内視鏡的粘膜切除術) | 543 | 602 | 499 | 543 | 466 | |||
| ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術) | 56 | 52 | 54 | 61 | 59 | |||
| 大腸ステント留置術 | 31 | 18 | 25 | 35 | 42 | |||
| 小腸内視鏡 | 32 | 36 | 46 | 57 | 67 | |||
| カプセル内視鏡 | 33 | 33 | 31 | 33 | 26 | |||
| ERCP(内視鏡的逆行性胆管膵管造影) | 406 | 388 | 456 | 441 | 473 | |||
| EUS(超音波内視鏡) | 253 | 218 | 262 | 250 | 292 | |||
| EUS-FNA(穿刺吸引法) | 130 | 103 | 131 | 113 | 120 | |||
| EUS-BD(胆管ドレナージ) | 9 | 10 | 14 | 11 | 13 | |||
| EUS-CD(囊胞ドレナージ) | 6 | 6 | 3 | 10 | 8 | |||
| PTGBD/PTCD(経皮経肝胆嚢/胆管ドレナージ術) | 36 | 67 | 72 | 73 | 86 | |||
| 肝検査・治療 | エコー下肝生検 | 9 | 12 | 27 | 28 | 39 | ||
| TACE(肝動脈化学塞栓療法) | 42 | 50 | 36 | 45 | 51 | |||
| RFA(ラジオ波焼灼術) | 4 | 9 | 3 | 6 | 11 | |||
| その他 | 経血管的治療 | 10 | 10 | 16 | 11 | 17 | ||
| 経皮的治療 | 19 | 21 | 14 | 27 | 18 | |||
消化管がんの内視鏡診断と治療
「消化管」のがんとは、主に食べ物の通り道である食道・胃・大腸に発生するがんを指します。国立がん研究センター「がん統計2025」によると、がんによる死亡者数は、1位の肺に次いで、2位 大腸、3位 膵臓、4位 胃となっており、依然として死亡数が多い疾患と言えます。
しかし、消化管がんは内視鏡検査を受けることで、自覚症状がない段階での「早期発見」が可能です。初期の段階で見つかれば、お腹を切らずに内視鏡を使ってがんを剥がし取る「内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)」という治療で、体に負担を少なく完治を目指すことができます。当院では2009年からこのESDを導入しており、現在は食道・胃・大腸をあわせて年間300件近い治療実績があります。
また当院では、人間ドックを含めて1日40件前後の「胃カメラ(上部内視鏡検査)」を行っています。検査中に異常が見つかった際は、色素をまいて病変をはっきりさせることや、特殊な光(NBI)で血管の模様を詳しく観察する「拡大観察」、組織の一部をとる生検を行い、精度の高い診断につなげています。「大腸カメラ(大腸内視鏡検査)」も1日20件前後実施しており、ポリープや早期がんが見つかった場合はその場で切除を行うなど、一度の検査で「見つける」から「治す」までを迅速に行うよう努めています。
もし、精密検査の結果で進行したがんと診断された場合もご安心ください。CT検査などで病変の広がりを詳しく確認した上で、外科での手術や、当科での抗がん剤治療(化学療法)など、最適な治療方針を検討します。一口にがんといっても様々な治療法があり、患者さんの体力や病気の進み具合(ステージ)を考慮したうえで、他科とも密接に連携し総合的に治療を進めています。
慢性肝疾患の診断と治療
日本の慢性肝炎の約70~80%はC型肝炎であり、無症状の人を含めると100万〜150万人の感染者がいるとされています。C型慢性肝炎の治療はここ数年で飛躍的に進歩し、飲み薬で治る時代になりました。従来のインターフェロン治療が受けられなかった方や効果が得られなかった方でも、ぜひ一度肝臓専門医にご相談ください。肝臓は「沈黙の臓器」と言われ自覚症状が出にくいため、感染していることに気づかないまま病気が進行していることがあります。まだ一度も検査を受けたことがないという方は、肝炎ウイルス検査を受けることをお勧めします。
また近年は、B型肝炎でもC型肝炎でもない肝硬変・肝癌の患者様が増加しています。メタボリックシンドロームの肝臓での表現型とされる NASH(非アルコール性脂肪肝炎)がその原因として注目されています。当科ではプライマリ・ケア医や糖尿病専門医と連携してNASHの診療にも力を入れています。
肝癌に対するカテーテル治療(血管塞栓術)
2018年1月より新しい血管造影装置が稼動しています。今回導入された装置では血管造影と同時にCT撮影が可能で、最新技術の肝動脈化学塞栓療法支援ソフトウェア(EmboGuide)により、治療成績の向上や治療時間の短縮による患者様の負担軽減が期待できます。
胆道・膵疾患の診断と内視鏡治療
各種画像検査や内視鏡検査を駆使し、膵・胆道病変に対する緻密な診断や膵・胆道癌の早期発見・早期診断に努めております。また、難治性である膵・胆道癌に対しては、外科・放射線科・腫瘍内科とも連携し、最適な治療を提供出来るよう努力しております。
内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)関連手技を年間400件前後、超音波内視鏡検査(EUS)関連手技を年間300件前後行っており、緊急処置にも対応しています。近年、膵癌、腫大リンパ節、粘膜下腫瘍の確定診断に有用である超音波内視鏡下穿刺吸引法(EUS-FNA)の件数が増加しており、高い正診率を得ています。また、EUS-FNA手技を応用した経胃・十二指腸的な胆道ドレナージ(EUS-BD)や膵嚢胞ドレナージ(EUS-CD)、小腸内視鏡を使用した術後再建腸管に対するERCP関連治療など、最新の内視鏡治療も積極的に行っております。
炎症性腸疾患:Inflammatory Bowel Disease (IBD)
炎症性腸疾患とは主として潰瘍性大腸炎とクローン病から成る、腸に原因不明の慢性炎症を生じる疾患で、近年、患者数が増加しています。
長岡地域においても着実に患者数は増加しており、潰瘍性大腸炎でこれまでに当院で治療を受けた患者様は約1,000名に及びます。現在では潰瘍性大腸炎患者様約300名、クローン病患者様約110名が通院中です。両疾患ともなかなか良くならない難治例の治療に関しては、少しでも早く確実に治療を行うことが大切であり、その遅れが更に治療を難しくしてしまいます。当科では血液検査、内視鏡や各種画像検査(CT、MRIなど)を用いて病気の状態を正確に知ることが特に大切であると考えており、検査によって得られた情報からそれぞれの患者様のニーズにあった、かつ必要十分な治療を提案させていただいております。
また当院は消化器病センターとして内科・外科が連携して診療にあたっており、炎症性腸疾患に関しても不必要な手術を避け、より積極的な内科治療をできるようになっています。
スタッフ紹介
副院長
髙村 昌昭
| 専門領域 | 肝胆膵疾患 |
|---|---|
| 認定資格等 | 医学博士 日本内科学会 認定内科医・総合内科専門医・指導医 日本消化器病学会 専門医・指導医・甲信越地方会評議員・学会評議員 日本肝臓学会 専門医・指導医・東部会評議員・学会評議員 日本消化器内視鏡学会 専門医・指導医・甲信越支部評議員 日本がん治療認定医機構 がん治療認定医 新潟県緩和ケア研修終了 新潟大学医学部医学科臨床教授 |
| 出身大学・卒年 | 新潟大学医学部 1996年卒 |
内科部長
本田 穣
| 専門領域 | 消化器疾患全般、炎症性腸疾患 |
|---|---|
| 認定資格等 | 医学博士 日本内科学会認定内科医・総合内科専門医・指導医 日本消化器病学会専門医・指導医・甲信越地方会評議員 日本肝臓学会専門医 日本消化器内視鏡学会専門医・指導医・甲信越支部評議員 新潟県緩和ケア研修修了 |
| 出身大学・卒年 | 東邦大学医学部 2000年卒 |
内科部長
岡 宏充
| 専門領域 | 消化器疾患全般、肝胆膵疾患 |
|---|---|
| 認定資格等 | 医学博士 日本内科学会認定内科医・総合内科専門医・指導医 日本消化器病学会専門医・指導医・甲信越地方会評議員 日本肝臓学会専門医 日本消化器内視鏡学会専門医・指導医・甲信越支部評議員 新潟県緩和ケア研修修了 |
| 出身大学・卒年 | 新潟大学医学部 2003年卒 |
内科部長
松井 徹
| 専門領域 | 消化器疾患全般、肝胆膵疾患 |
|---|---|
| 認定資格等 | 日本肝臓学会認定専門医 日本消化器内視鏡学会専門医・指導医 日本消化器病学会専門医・指導医 日本内科学会総合内科専門医 日本がん治療認定医機構 がん治療認定医 緩和ケア研修終了 |
| 出身大学・卒年 | 名古屋市立大学医学部 2007年卒 |
内科医長
中野 応央樹
| 専門領域 | 消化器疾患全般 |
|---|---|
| 認定資格等 | 医学博士 日本内科学会認定内科医・総合内科専門医・指導医 日本消化器病学会専門医・指導医・甲信越地方会評議員 日本肝臓学会専門医 新潟県緩和ケア研修修了 |
| 出身大学・卒年 | 新潟大学医学部 2012年卒 |
内科医長
佐藤 公俊
| 認定資格等 | 医学博士 日本内科学会認定内科医 日本消化器病学会専門医 日本肝臓学会専門医 日本消化器内視鏡学会専門医 新潟県緩和ケア研修修了 |
|---|---|
| 出身大学・卒年 | 新潟大学医学部 2013年卒 |
内科医長
丹羽 佑輔
| 認定資格等 | 医学博士 日本内科学会認定内科医 日本消化器病学会専門医 新潟県緩和ケア研修修了 日本DMAT隊員 エマルゴ ベーシック インストラクター |
|---|---|
| 出身大学・卒年 | 千葉大学医学部 2014年卒 |
内科医長
佐藤 千紘
| 出身大学・卒年 | 2017年卒 |
|---|
内科医員
堀江 篤
| 出身大学・卒年 | 2022年卒 |
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内科医員
米山 匠
| 出身大学・卒年 | 2023年卒 |
|---|
